|
(★1589㌻) 御布施御馬一疋鹿毛御見参に入らしめ候ひ了んぬ。 兼ねて又此の経文は廿八字、法華経の七の巻薬王品の文にて候。然るに聖人の御乳母の、 (★1590㌻) |
お布施として頂いた栗毛の馬一頭、確かにこの目で見ました。 それから、(お送りする)この経文二十八文字は法華経の第7巻の「薬王品」の文章です。 実は私の母が、一年の間病気を患い、危篤になり、息を引き取った時に、この経文を燃やして清らかな水に溶かして飲ませたところ、たちどころに生き返ったという経文です。 南条時光殿は、体は小さいけれど、日蓮への信心は実に深いお方です。たとえこの病が死病であるとしても、今度だけは閻魔大王よ、助けてやってください、と誓願しています。 |
|
| わん候。明日 二月廿五日 日朗 花押 謹上 はわき公御房 |
明日の寅卯辰の刻に精進川の水を汲んで、この経文を燃やして灰にし、一合の水に溶かして、南条殿に飲ませてあげてください。恐々謹言。 二月二十五日 日朗 花押 謹上 はわき公御房 |