大夫志殿御返事 弘安四年一二月一一日 六〇歳

 

 

(★1581㌻)
 聖人(すみざけ)つゝ()味文字(みもじ)をけ()生和布(なまわかめ)一こ、聖人と味文字はさてをき候ひぬ。生和布は始めてにて候。将又(はたまた)病の由聞かせ給ひて、不日に此の物して御使ひをもって脚力(きゃくりき)につかわされて候事、心ざし大海よりふかく、善根は大地よりも厚し。かうじん(幸甚)かうじん。恐々。
  十二月十一日    日蓮花押
 大夫志殿御返事
 
 清酒一筒、味噌一桶、生和布一籠をいただきました。清酒と味噌はさておいて、生若布はこのたび始めていただきました。
 またその上、私が病気であることをお聞きになって、いく日もたたないうちに、この御供養の品々を、使用人をご使者としてお送りくだされた、そのあなたの信心は、大海よりも深く、善根は大地よりも厚い。幸甚、幸甚。恐恐。
  十二月十一日    日蓮花押
 大夫志殿御返事