(★1498㌻)
はくまいひとふくろ、いも一だ給び了んぬ。抑故なんでうの七ろうごらうどのゝ事、いままではゆめかゆめか、まぼろしかまぼろしかとうたがいて、そらごとゝのみをもひて候へば、此の御ふみにもあそばされて候。さてはまことかまことかと、はじめてうたがいいできたりて候。 |
|
白米一袋、芋一駄を頂戴した。
故南条七郎五郎殿のこと、今までは夢か夢か、幻か幻かと疑い、虚事とばかり思っていたが、この御手紙にも(実際に御逝去されたと)記されており、さては真実であろうかと、はじめてそう思う心がでてきたようである。 |