光日尼御返事 弘安三年九月一九日 五九歳

 

(★1497㌻)
 なきなをながさせ給ふにや。三つのつなは今生に切れぬ。五つのさわりはすでにはれぬらむ。心の月くもりなく、身のあかきへはてぬ。即身の仏なり。たうとし、たうとし。くはしく申すべく候へども、あまりふみをゝくかき候ときにかきたりて候ぞ。恐々謹言。
  九月十九日    日蓮花押
 光日尼ごぜん御返事
 
 「なきなをながさせ給うにや」の御文は、本抄が断簡であるために、前文不明のために通解に幾多の推量がなされるゆえに省く。
 三つの綱である女性の三従の業は今生において切れた。五つの障もすでに晴れたであろう。心奥の仏性の月は曇りがなく煌々と照り輝き、苦集の身の罪障である垢は消えた。まさしく光日尼あなたは即身の仏である。まことに尊いことである。さらに詳しく法門のことなどをいうべきであるが、あまり文を多く書いたときに、このお手紙は書いたのです。恐恐謹言。
  九月十九日    日蓮在御判
 光日尼ごぜん御返事