松野尼御前御返事
弘安二年一月二一日 五八歳
(★1351㌻)
と申す鳥となれり。日本国の人には
にく
(
憎
)
まれ候ひぬ。
みち
(
道
)
ふみ
(
踏
)
わ
(
分
)
くる人も候はぬに、をもいよらせ給ひての御心ざし石の中の火のごとし、火の中の蓮のごとし。ありがたく候。ありがたく候。恐々謹言。
正月廿一日 日蓮花押
松のゝ尼御前御返事
日蓮は日本国の人に憎まれております。この身延の山中は、道を踏みわけて訪ねてくれる人もいないのに、山中の不便な生活を思いやられてあなたの御志は、石の中の火のように、また、火中の蓮のようなものです。まことにありがたいことと存じます。恐々謹言。
正月二十一日 日蓮花押
松の尼御前御返事