-1229-
御状の旨委細承り候ひ畢んぬ。大覚世尊説きて曰く「生老病死」「生住異滅」等云云。既に生を受けて齢六旬に及ぶ、老又疑ひ無し。只残る所は病死の二句なるのみ。然るに正月より今月六月一日に至り連々此の病息むこと無し。死ぬる事疑ひ無き者か。経に云はく「生滅滅已、寂滅為楽」云云。今は毒身を棄て後に金身を受くれば豈歎くべけんや。
-1230- 六月三日 日蓮 花押
阿仏房