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(★380㌻) 大蒙古国の簡牒到来に就いて十一通の書状を以て方々へ申さしめ候。定めて日蓮が弟子檀那、流罪死罪一定ならんのみ。少しも之を驚くこと莫れ。方々への強言申すに及ばず。是併ら而強毒之の故なり。日蓮庶幾せしむる所に候。各々用心有るべし。少しも妻子眷属を憶ふこと莫れ、権威を恐るゝこと莫れ。今度生死の縛を切りて仏果を遂げしめ給へ。鎌倉殿・宿屋入道・平左衛門尉・弥源太・建長寺・寿福寺・極楽寺・多宝寺・浄光明寺・大仏殿・長楽寺 已上十一箇所。 仍って十一通の状を書きて、諫訴せしめ候ひ畢んぬ。定めて子細あるべし。 (★381㌻) 日蓮が所に来たりて書状等披見せしめ給へ。恐々謹言。 文永五年戊辰十月十一日 日蓮花押 日蓮弟子檀那中 |
大蒙古国から牒状が到来したことについて、十一通の書状をもってそれぞれの方へ申し上げた。定めて日蓮が弟子檀那は、流罪・死罪になることは必定であろう。少しも驚いてはならない。 方々へ強言を申し送ったことは言うまでもないが、これは而強毒之のゆえである。これは日蓮が望むところである。各々も用心しなさい。少しも妻子眷属のことを憶ってはならない。権威を恐れてはならない。今こそ生死の縛を切って成仏を遂げなさい。 鎌倉執権殿・宿屋入道・平左衛門尉・弥源太・建長寺・寿福寺・極楽寺・多宝寺・浄光明寺・大仏殿・長楽寺、以上の十一ヶ所へ十一通の書状を出して諌めたのである。必ずや何かの子細があるだろう。日蓮のところに来て、書状等を披見せられたい。恐恐謹言。 文永五年戊辰十月十一日 日蓮花押 日蓮弟子檀那中 |